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I Love You 

「君といふ全存在が愛しい」と抱(いだ)かれ無上の泉と化しぬ
(ひよどり)

彼は事あるごとに「大好きだよ」と言ってくれていた。彼はきっと私に心惹かれ可愛いと思ってくれているのであろう。その気持ちは充分と言っていい程伝わってきた。しかし「好き」というのは所詮、感情に過ぎない。私だって鳥が大好きだ。可愛い。しかし、鳥が悪戯をしたりすると、途端に「悪い子だね」なんて辛く当たったりもするのだ。「好き」という感情は、揺れ動くものであり、状況によって変化するものであることは否めない。
しかし、今日、彼は初めて「君を愛している」と言ってくれた。「愛する」というのは、感情ではなく、意志の力である。相手を大切なもの、かけがえのないものと認識し、価値を見出し、何があっても、どんな状況に陥っても、変わらずに愛していくという、強い意志がなければ口に出来ない言葉だ。
他の人は知らない。しかし、少なくとも彼にとっては、それ程重い言葉だった。
2ヶ月の後、彼は言った。
「僕は君の顔が大好きだ。だけど、その可愛い顔が火傷で半分崩れてしまったとしても、僕は君を愛するよ。君の魂を愛する。それはもう、止めることはできないのだ」と。
愛されてはじめて、彼の中で私の存在が意味を持ってくる。いま、私は、彼の魂を潤し、彼を生かすのに不可欠な存在に生まれ変わった。私は彼の泉となった。そしてこれからも私という泉の水は枯れることなく湧き続けるであろう。それは極上の水である、彼はきっとそう信じている。


どうか 教えて
欲しいものはなんなの
ぜんぶ あげるよ
合言葉は なあに?

(バービーボーイズ 「おやすみ よそもの」 作詞:いまみちともたか)

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彼のうつ状態が一番酷かった数日間、彼女はちょうど外泊許可を得て自宅に戻っていた。
病院にいたら10時消灯である。日中、公衆電話を使うしか、彼と連絡をとる術はないのだ。しかし自宅にいれば、彼が苦しみながら仕事をしている夜中じゅう、メールで彼を励まし続けることができる。彼が一番辛い時に、メールを通してだが、彼の側にいられる・・・これも何かの巡り合わせだったとしか考えられない。

「Yさん

私が必要なときにはいつでも言ってください。何でも言ってください。私だって、Yさんにすごく助けられて、ここまで来られましたから。それにうつ状態のつらさも充分わかっていますからね!いつもあなたのこと、考えています。

また夜にメールします。
私も多分明け方まで起きています。
あなたのことがとても心配で・・・いとおしくて・・・

大切なYさんへ」


「Aさん

メールありがとう。
考えてみると、私はいつも自分の弱さをひとりで抱え込んでいました。自分の苦しみや弱さは、いつも自分ひとりで神様に祈ってきました。今も、私は自分がうつで辛いことを、妻には話していません。
こんな日にも、もっと悩んでいる人、苦しんでいる人からメールや電話があります。私は自分の苦しみを忘れて、できるだけ明るく、優しい気持ちを思い起こしつつ、そういう人たちの悩みを聞き、涙を受け止めています。
そのことを決して苦痛とは思いません。これからもそうするでしょうし、そうしたいのです。

でも今は、Aさんの優しさに甘えたい気持ちでいっぱいです。
もし今、あなたが側にいたら、あなたの胸の中で子どものように泣きじゃくっているかもしれません。涙がこぼれそうなのを、必死に堪えています。

こんな気持ちははじめてです。人前で泣いたのは何年前だったか、記憶にありません。やせ我慢をして生きていたつもりはありませんが、私をこんな気持ちにさせたのは、あなたの優しさゆえ・・・

あなたがいつも私のことを思い、心に寄り添ってくれている。そのことを信じている自分がいます。
どんなに大きな支えとなり慰めとなっていることか・・・。

Y」


DV夫に無能呼ばわりされ、意見することさえ許されず、20年の長きに渡って意思を剥奪された人形として生きてきた彼女は、自己否定の塊と成り果てた。自分など誰の役にも立てない、また愛される価値もない塵のような存在だという考え方しかできなくなっていた。だが、いま、初めて「大きな支えとなり慰めとなっている」と言ってくれる人が出現したのだ。そしてその人は、他ならぬ愛しい彼だった。彼女は、自分が塵でもゴミでもなく、手足の生えた人間であり、感じる心を持つ人間であるという当たり前のことに何十年か振りに気付くと共に、彼女の存在を慈しんでくれる人がいるという事実を初めて知った。
その夜遅くに、彼はまたメールをくれた。

「Aさん

昨晩、旧約聖書の『雅歌』を読みながら、あなたのことを考えていました。
そして、読んだ後に寝たら、変な夢をみてしまいました。
聖書を読んで、あんな夢を見るなんて・・・
Aさんは読まない方がいいかも。

あまり夜更かししてはいけませんよ。
よい子は早寝早起きじゃなくちゃね。
おやすみ・・・素敵な夢をみてね。

Y」


それは旧約聖書雅歌1章2節の夢だった。
<どうかあの方が、その口づけをもって
わたしにくちづけしてくださるように。>


彼のうつ状態が一番酷い数日間、互いの心を確かめ合いながら過ごし、彼女はまた病院に戻った。1週間後、久しぶりのデートの日がやってきた。
場所はいつものように、彼女の入院先からほど近い(電車で30分ほど)のS公園である。そしていつものように、冬枯れした薄い芝生の上に並んで座り、とりとめもない話に興じていたふたりだった。彼のうつ状態が気がかりだったが、思いのほか明るい表情をしていたので安堵に胸を撫で下ろしたのを覚えている。
ひとつの話題が終ったとき、彼女は鋭い声を耳にした。前方に目をやると、落葉した木の鋭く尖った小枝を揺らしながら、一羽の鳥が何かを訴えるように啼いていた。するとそこに相方らしきもう一羽の鳥が降り立ってきたのだった。二羽は互いを慈しむように相手の羽繕いをしてやっていた。その心温まる光景に見とれていた。
その時、ふいに彼が彼女の耳もとに顔を近づけてきた。両手で自分の口を包み込み、まるで子供が内緒話をするような仕草で、彼女の耳に口をあてがった。彼女は視線を鳥に向けたまま、耳だけを彼のほうに近づけた。彼は含羞を滲ませた声で
「一度しか言わないよ。・・・。君の事を愛している・・・と思ったんだ」
と告げた。
彼女は、何も言葉を発さなかった。しかし、彼の目を真正面から見つめ、口元に柔らかな笑みを浮かべ、喜びを湛えた瞳の輝きでもって彼の気持ちに応えた。

彼と過ごしていると、時間があっという間に経過する。電話にしてもそうだ。
現在でもそれは変わらない。1日に何度となく電話しているのに話は尽きず、夜中の電話など気がつくと2時間も経過している、ということはざらにある。「愛している」・・・そのことを伝えるだけの為に電話をする時もある。
この日も約束の3時間があっという間に終ろうとしていた。彼は仕事のスケジュールといつも睨めっこして、彼女との時間を作り出すことに心を砕いていた。自由になる時間は電話にしろ逢瀬にしろ、その殆どを彼女の為に使っていると言っても過言ではない。 それ程彼女は彼の総てになりつつあった。
今度逢えるのはいつかしら?彼が次の予定を告げるのを待っていた。
彼は予想もしていなかった事を語りはじめた。
「病院からはちょっと遠いけど、来週の木曜日、僕の仕事場に来られる? 子供たちは学校だし、妻は仕事で出かけている。・・・書斎に案内したいんだ」


つ、ついに来ました。ふたりだけになれる、暖かい所へのお誘い(*´ェ`*) しかし、ここからがドびっくりぃ〜なのです。皆さん、腰を抜かさないように用心しながら、続きの記事をお読み下さいませね。前もって警告しておきます(笑)ええ?どういうこと?誘ったってことは、彼にその気があるんじゃないの?想像を逞しくしてしまった方、思わず期待に胸を膨らませた方、いらっしゃるのではないかしら?うふふ。いつも応援クリックして下ってありがとうございます♪


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おー
いつもお素敵な応援をありがとうございます♪




Comments

応援です ぷちっ@ぷちっ

まーちんさん♪
いつもお素敵な応援ありがとうございます。
静電気・・・あれから色々見直してますが、バチバチビリビリ、
さっぱりなおりませんe-259
やっぱり防止用の何かを購入してみようかしら?
問題は体質ではなく、服、でしょうか〜?(´∀`*)ウフフ

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